地主様へ

ご存じですか?地主様は底地を自由に売却できます。

住宅のイメージ写真

土地に借地権が設定されていても、地主様は所有権を自由に譲渡できます。その際、借地人さんの承諾は一切必要ありません。借地権の負担が付いた土地として売買され、土地の譲受人(買主)は、借地人さんとの借地関係を引き継ぎます。

底地の整理は、資産の有効活用と相続対策の両面から考えて、相続発生前、つまりは地主様の生前に行うことが望ましいといえます。底地を売却換金したり更地化したりすることによって優良資産となり、遺産分割が容易になります。さらには、売却換金することで得たお金は相続税を納めるための原資にもなります。ですから、地主様にとって、生前に底地を整理しておくことは一から十まで好ましいことなのです。

しかしながら、理論的にはご理解されていても人情的に底地を整理できないという地主様が多いのです。地主様によっては「土地はご先祖様からの預かり物なので、自分の目の黒いうちは絶対に売らない。」「相続税が高額なら、物納すれば良い。」などのご意見を聞くこともしばしばあります。

平成27年の増税によって、相続税は最高税率が10%も引き上げられることになりました。これは首都圏に土地を多く所有している地主様にとって狙い撃ちにされたような増税です。これにより、ご自身の代では維持できた底地についても、次の代への相続税の支払いが増加することによって維持が難しくなっているのです。さらに、物納に関しては平成18年の税制改正以降要件が厳しくなっており、万が一物納要因不適格となった場合、代替となる相続税を現金で短期間で用意しなければならず、相続人は本当に大変なことになってしまうのです。

そうであれば、ご自身の意思が行きわたる現在の代のうちに、有益な不動産は残し、負の資産となりうる底地や空家等を積極的に整理しておくことは、前述のとおり相続人にとっては嬉しいことです。相続人たちは、そう思っていても自分の所有物ではないため、地主様には意見ができないものなのです。

本来、前述のような地主様の人情部分は、当社のような外部の不動産コンサルタントが口をはさむ領域ではないことは重々承知しております。ですが、底地を抱えた地主様に相続が発生した際に一番大変な思いをするのは相続人です。

借地人さんの権利があまりにも強く、今後も戦前から存在する旧法が適用されていくしかない底地というもののご売却を、どうか一度真剣にご検討ください。

地主様の悩み

1.収益に関する悩み

地代金が安い/地代金の値上げができない
東京23区内の住宅地であっても、1か月の地代金が坪あたり400円~500円というケースも決して珍しくありません。地代の値上げをしようにも借地人さんとの合意が前提になるため、交渉にかかる労力を考えると二の足を踏まれる方が多いようです。

税金が高い
底地は所有権であるにも関わらず使用収益権がありません。ですが、固定資産税・都市計画税は毎年地主様に課税されます。土地を自由に使うことはできず、地代金も安いとなると、何のために税金を納めているのか分からなくなってしまいます。

2.相続に関する悩み

相続が心配
その大小に関わらず資産をお持ちの方は相続に対して不安を抱かれるものです。
ですが、具体的な手段を講じることなく最期の時を迎える方がいまだに多いようです。その時に苦労するのは残された相続人です。特に大規模な底地を相続した場合には、全体の相続税額を押し上げる要因になります。いざという時は物納すれば良いと考える方もいらっしゃいますが、底地の物納適格基準はとても厳しく、万が一物納不適格となった場合は、現金で納税することになり大変なことになります。

3.人間関係の悩み

借地人とトラブルがある
地主様、借地人さんの一方もしくは双方で相続が発生し、それまで付き合いのあった関係がなくなり、お互いの顔さえ知らないまま賃貸借契約が続いている場合があります。中には、借地人さんが地主様に無断で建物を増改築したり、転貸したりしているようなケースも目にします。これでは、今まで人情地主として安い地代金で土地を貸していた地主様の気持ちは収まらないでしょう。
近年、こうした世代交代による人間関係の崩壊が急増しています。

4.管理の悩み

管理がわずらわしい/遠方に土地を所有していて管理が行き届かない
相続による世代交代により、サラリーマン地主といわれる方々が増えてきています。年齢でみると40~50歳代の働き盛りの方が最も多くなっています。この方々にしてみれば、底地の管理は突然降って湧いたような仕事であり、本業とは別にその対応に頭を悩ませることになります。

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